新宿紀伊国屋でやっていた「ほんのまくら」フェアに行ってきた。 ずっと気になっていたので、いざ棚の前にたったら血がわきたつ感じがとまらなくて、鼻血がでそうだった。 「ほんのまくら」フェアというのは、それぞれの本のまくら言葉を抜粋して、それを印刷したカバーで表紙を覆い、タイトルや著者などその他の情報を一切排してしまった斬新なフェア。 紀伊国屋さんがやるまでは、だれもそんなこと思いつかなかったし、本屋好きや書店員のあいだでもかなり話題になっていた。 ようするに、冒頭の一文だけで本を選ぶという試みなのです。 私の中では、出だしの文章がおもしろいとその本はかなりの確率でおもしろいという法則があって、今回リアルにその検証結果がでそうではないか。 で、じっくり時間をかけて選んだのが上の4冊。 1冊目 「それは、とにかくまずいスープだった。」 2冊目 「母が縮んで見えるという視界の異変にずっと苦しんでいた間の事を、なんとか文章で説明してみたいと思ったのだが、そもそも縮み始めてからの記憶は滅茶苦茶だし、苦しまなくなったきっかけはごく単純な事で、しかもそれを機会に母と会わなくなってしまったのだから一方的な話になってしまうかもしれないのだった。」 3冊目 「今のところまだ何でもない彼は何もしていない。何もしていないことをしているという言いまわしを除いて何もしていない。」 4冊目、、は同行していた恋人が持ってきた本、、 「お爺さん、お爺さん。」「はぁ、私けぇ。」 以上、4冊である。 すでに、普通の本、、ではないにおいがぷんぷんただよう。 そして、、そう。 あけるのである。 ぴりぴりとビニールをはがして、あけるのだ! なんだこの高揚は!! ドキドキするではないか! 手に汗にぎるとはまさに!!! 結果、、もう、フェアは終わっているようなので、ここに書いてしまう。 1冊目「まずいスープ」戌井昭人 2冊目「母の発達」笙野頼子 3冊目「虚人たち」筒井康隆 そして、4冊目「春中、春中後刻」泉鏡花 であった。 みごとに1冊もゆるいとか、かわいいとか、感動するとか、謎解きだとか、わくわくするだとかいった普通の本がない! ことに驚いた。 が、恋人が泉鏡花を選んだことにも驚いた。。 このフェア、本当におもしろかった。 正直生意気にも、やられた!というくやしさまでわいてくるいいフェア。 やはり、枠はとっぱらわないと、と思わされた。 検証結果はまだ読んでいないので、わからないのだが、筒井康隆は大好きだし、他の作家さんも読んでみたいと思っていたものばかりだったので、好みは顕著にでるんだなぁとあらためて思う。 またぜひ、2回目、3回目もやってほしい。と、ただの本好きとして願うのでした。
by galwaygirl
| 2012-09-19 01:06
| 日常の旅日記
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