デトロイトへの招待状4

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久しぶりに会ったタリホは、とても幸せそうで。
とても、とても幸せそうで、、

それだけで、私はもう胸がいっぱいになった。


結婚式はすべて手作りで、たくさんの人たちが彼らのために走り回っていた。


飾り付けや、料理、ウェディングドレス、写真のソープケーキ(タリホがつくった石けんで作られたケーキ)
それから兄弟たちが作曲した二人のための歌。これが本当にいい歌だった。
司会、ダンス、音楽、、すべてが人々の手で作り上げられていて、それもみんな心の底から二人を祝福したいという気持ちから自主的にやっていることがわかった。
だからみんな生き生きしていたし、当日幸せそうなのは二人だけではなかった。
呼ばれている人たちみんなが顔をほころばせていて、みんなが気持ちよく食べて飲んで、踊って歌っていた。

あぁ、ほんとうにここに来れてよかった。

芝生が太陽にむかってまっすぐにきれいで、そばに立つ大きな木からはきらきらと木漏れ日がおちていた。
子どもたちが走り回る。
大人たちもはしゃぎだす。
バンジョーの音。
青年たちはちょっぴり得意げにはたらく。


祝福されたふたりは、みんなに見送られながら小さな車にがらんがらんと空き缶をぶらさげて、1泊2日のハネムーンへと旅立った。


出発前のブーケトスのとき、タリホは私にウインクし、
「ナナミがこの花束をとるのよ。そっちになげるから!次に結婚するのはあなた。そして私を日本によんでね。」
そう言って、みんなとの挨拶をすませブーケをなげる準備をした。

私は元来そういうものを自らとりに行くのが苦手であって、いつも呼ばれると後ろのほうにちいさくなって動きもしないたちであった。
が、そう言われてしまったら前に出て行かないわけにもいかない。
しかしながら、面目ないが、わたしは純粋に運動神経のほうもさっぱりなのである。。
だから、がんばるけどとれなかったらごめんね。。と必要以上にどきどきしながら真ん中らへんで待った。

タリホは本当にこちらにむかってなげてくれた。
花束はきれいに弧を描いて私の頭上斜め後ろのほうにおちて行った。
のばした手をかすりもせず、、
結果5歳くらいの女の子がキャッチ。
みんな次はおまえか〜と笑い合いながらの解散となった。

花束はとれなかったけど、タリホは顔中で笑ってくれるだろう。


だんなさんのサミュエルも笑顔の素敵な人だった。


この日たしかに思ったことがあった。
(ふたりの笑顔はみんなを幸せにする。)
きっと結婚式という特別な日だけではなく、ふたりならこれからもきっと笑顔でやっていくんだろうな。
だから、わたしはいつかまたタリホの家族が増えたら、幸せ大家族に遊びに行こう。
その日を今、本当に心待ちにしてる。



HAPPY WEDDING!! Tariho and Samuel!
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# by galwaygirl | 2012-11-02 22:24 | 旅日記

デトロイトへの招待状3

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海外に行くといつも思うのは、(特に都市)町づくりがきちんと計画的であるということ。
特にシカゴは、有名な建築家を何人も輩出しているので、建物は近代的かつ美しい。
近くから見上げても荘厳で惚れ惚れしてしまうし、遠くから全体を眺めてみても完璧に絵になるバランスをたもっている。

土地が本当に広いんだなと思わせる、ゆったりとした道路に歩道。
人口が多くてもそれほど気にならないのはそのためか。

意外だったのは、信号の間隔が短いこと。
大きな道路は小走りじゃないと渡りきれない。
でも、みんなぜんぜん気にしていなくて、赤信号でも車が来てても平気で渡る。
がんがん渡る。
規則にしばられていない。
渡れるのか渡れないのか、自分で判断を下す。
といいつつ事故は多いようだけど。。

歩いていたら、突然リズミカルな英語が聞こえてきた。
道ばたで若者が体をゆらしながら、ヒップホップのリズムでラップをはじめていた。
わきに2人の友達がいて、審査をするようににやにやしながら聞いている。
残念ながら何を言っているのか聞き取れなかったけど、この旅一番アメリカを感じた瞬間だったな。
ああいうのもきっと時がたてばなくなっていってしまう。

文化は人間が作りだす。
作って廃れて、でも何かが残り、その残った何かの上にまた新しい文化が作られる。
そういうふうに世界はやってきたんだなと、、ぼんやり思った。

そう、思うと少しだけいとしくなって、
私はひとりふふふと笑った。
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# by galwaygirl | 2012-10-22 15:47 | 旅日記

デトロイトへの招待状2

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シカゴで一番楽しかったのは、間違いなく着いた日の夜だった。


空気は乾いていて、ぴっと張って肌寒い。
高層ビルがたちならぶ都市ではあるが、東京のそれとは全然雰囲気が違う。
古いものと新しいものが混在していて、独特の空気感を作りだしていた。
ヨーロッパはみんな建物が低いから、それともまた違っていて、やはりここはアメリカなのだなとどうしたってわくわくしてくる。

とにかく最初に食べるものを探して街に出た。
もう外は暗かったので、あまり遠出をせず近場ですますことにする。

写真のパブに入る。

古くからある店のようで、中も雰囲気たっぷり。
アイルランドというよりは、ロンドンのパブを思い出した。
まぁ、一杯。
シカゴのビール(名前は忘れた。)をやりましょう。

うまー。
うまいよ、このビール。
日本にもあるのかしらん。


そして、肉!
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シカゴ名物リブステーキ!
ザ・アメリカ!

これもおいしかった。




完食、、、、、、、、とは、いかないけどけっこうたいらげました。↓
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アメリカの肉は味付け大味でも、おいしい。
しかも、見ため大きくても骨ばかりなので、意外と入るのでした。
(看板のマラケシュビーフピタってやつも食べたかった。。)







食べた後も別のパブでギネスを飲み、最初の夜としてはおおはりきりで満喫したのだった。
ここまで29時間くらい起きていた。。
海外マジック発動、、。
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# by galwaygirl | 2012-10-10 00:00 | 旅日記

デトロイトへの招待状

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夏のはじめに、一通の招待状がとどいた。
アメリカからだった。

それはただのシンプルなハガキ一枚ではあったが、れっきとした結婚式のお知らせだった。
場所はミシガン州デトロイト郊外の街、アナーバー。


タリホのことは以前にここでも書いた。
あのピーナッツの香りをさせながら、パジャマで自転車をこいでうちまでやってきた女の子である。

私たちは、はなればなれになったあとも手紙を書き、やりとりを続けていた。
 

この冬彼女は恋をしていた。
しかし、彼女は敬虔なキリスト教徒。イエスに身を捧げている。
気軽につきあってみたり、別れてみたりするという概念はない。
神様に恋をすると、ときに不便である。


そこで、ふたりは一緒に祈った。
神様に結婚してもいいかどうか、尋ねたのだ。
私には神様がなんてふたりに答えたのかわからない。ふたりがどういうふうにその答えを受け取ったのかもだ。
でも半年後、この一枚の招待状が私のもとにきたのである。


何をどうしても行きたいと思った。
ふたりの幸せそうな顔が見たかった。結婚式がどんなふうにおこなわれるのかも。
本当は仕事を1週間休むのは、むずかしかった。ちょうど部署が変わった直後で、覚えなくてはいけないことが山ほどあったし、いろんな人に迷惑をかけてしまうのはわかりきっていた。
それでも、上司はわけを話すと大丈夫だから行ってきなと、簡単に許可してくれた。そんな機会はめったにないんだから、、と。
私は理解のある上司や同僚に感謝しつつ、旅立つことに決めたのだ。


久しぶりの旅、またひとりできままにやるつもりだった、、、
のだけど、ひょんなことから母と知り合いのおばさんがついてくることに、、、。
なんと、、私はふたりのガイド役をやらされることになってしまったのだった。


そういったわけで、3人でまずはシカゴへむけて旅立つ。
シカゴで数日観光してからデトロイトへ。
アメリカン航空の格安チケット。当日チェックインすると、以外に満席でほとんど座席を選ぶ余裕はなかった。しかし、同行の母の知り合いのおばさん、どうしても窓際がいいとだだをこねはじめ、、
窓際は本当に一席も空いていないむねを伝えると、なんとむくれた。。



やれやれ。。
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# by galwaygirl | 2012-10-07 23:29 | 旅日記

「ほんのまくら」

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新宿紀伊国屋でやっていた「ほんのまくら」フェアに行ってきた。


ずっと気になっていたので、いざ棚の前にたったら血がわきたつ感じがとまらなくて、鼻血がでそうだった。

「ほんのまくら」フェアというのは、それぞれの本のまくら言葉を抜粋して、それを印刷したカバーで表紙を覆い、タイトルや著者などその他の情報を一切排してしまった斬新なフェア。
紀伊国屋さんがやるまでは、だれもそんなこと思いつかなかったし、本屋好きや書店員のあいだでもかなり話題になっていた。

ようするに、冒頭の一文だけで本を選ぶという試みなのです。

私の中では、出だしの文章がおもしろいとその本はかなりの確率でおもしろいという法則があって、今回リアルにその検証結果がでそうではないか。


で、じっくり時間をかけて選んだのが上の4冊。

1冊目
「それは、とにかくまずいスープだった。」

2冊目
「母が縮んで見えるという視界の異変にずっと苦しんでいた間の事を、なんとか文章で説明してみたいと思ったのだが、そもそも縮み始めてからの記憶は滅茶苦茶だし、苦しまなくなったきっかけはごく単純な事で、しかもそれを機会に母と会わなくなってしまったのだから一方的な話になってしまうかもしれないのだった。」

3冊目
「今のところまだ何でもない彼は何もしていない。何もしていないことをしているという言いまわしを除いて何もしていない。」

4冊目、、は同行していた恋人が持ってきた本、、
「お爺さん、お爺さん。」「はぁ、私けぇ。」


以上、4冊である。



すでに、普通の本、、ではないにおいがぷんぷんただよう。


そして、、そう。
あけるのである。

ぴりぴりとビニールをはがして、あけるのだ!
なんだこの高揚は!!
ドキドキするではないか!
手に汗にぎるとはまさに!!!


結果、、もう、フェアは終わっているようなので、ここに書いてしまう。

1冊目「まずいスープ」戌井昭人
2冊目「母の発達」笙野頼子
3冊目「虚人たち」筒井康隆
そして、4冊目「春中、春中後刻」泉鏡花


であった。


みごとに1冊もゆるいとか、かわいいとか、感動するとか、謎解きだとか、わくわくするだとかいった普通の本がない!
ことに驚いた。
が、恋人が泉鏡花を選んだことにも驚いた。。



このフェア、本当におもしろかった。
正直生意気にも、やられた!というくやしさまでわいてくるいいフェア。
やはり、枠はとっぱらわないと、と思わされた。


検証結果はまだ読んでいないので、わからないのだが、筒井康隆は大好きだし、他の作家さんも読んでみたいと思っていたものばかりだったので、好みは顕著にでるんだなぁとあらためて思う。


またぜひ、2回目、3回目もやってほしい。と、ただの本好きとして願うのでした。
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# by galwaygirl | 2012-09-19 01:06 | 日常の旅日記